【習慣を深く学べる良書】良い習慣、悪い習慣―世界No.1の心理学ブロガーが明かすあなたの行動を変えるための方法【感想】

習慣の本質に触れられる。習慣についてより深く学ぶにはこの一冊。

心理学や様々な研究結果をもとに習慣について学べる本となっています。

良い習慣を作りたい、悪い習慣をやめたい人、より習慣を理解したい人にはおススメです。

研究をもとに話しは進んでいくので信頼性をもって読み進めていくことができました。

習慣作りの方法論はもちろんですが、【習慣】についてより知識や見解を深められる本になっています。

この本では研究結果をもとに習慣について学べる

データがあるので信頼性をもって読める

習慣についてより深く学べる、考えるようになる

 

書籍情報

タイトル:良い習慣、悪い習慣―世界No.1の心理学ブロガーが明かすあなたの行動を変えるための方法

著者:ジェレミー・ディーン

翻訳:三木俊哉

解説:大野正勝

出版社:東洋経済新報社

発行年月日:2014/9/5

P数:260

著者のジェレミー・ディーン氏は心理学者です。

心理学のブログを運営しており毎月100万のPV数を誇っているとのこと。

気になった点を引用

研究結果や著者の言葉で印象深いものを紹介したいと思います。

習慣まで21日は本当?習慣を作るにのかかる時間は?

二一という数字の起源にまつわる話がいろいろ見つかった。なかでも私のお気に入りは、形成外科医のマクスウェル・マルツ博士である。博士は一九六〇年に Psycho-Cybernetics(邦題『自分を動かす』)という本を刊行している。その中で言うには、手足を切断した人はその事実を受け止めるのに平均二一日かかるらしい。「人生の大きな変化になじむには、それが何であれ二一日かかる」と彼は主張する 。顔の手術をした人の場合も同じだという。整形した新しい顔に合わせて自尊心を高めるにせよ、前のままの自尊心で落ち着くにせよ、所要日数はだいたい二一日なのだ。 以来、二一日という数字は自己啓発書の著者に途方もない威力を及ぼした。

「習慣になるまで3週間」なんて私も聞いたことがありました。3週間の根拠は薄いようです。

では習慣を作るのにどのくらい時間はかかるのでしょうか?

単純な答えを言えば、十分なデータがとれた被験者の平均で、習慣ができるまでに六六日かかっている。また、意外かもしれないが、一日や二日サボっても習慣形成にあまり影響はなかった。

難易度によっては幅あるようですが平均値としては66日なんですね。

王道テクニックの実行意図

実行意図ー「~だったら~する(IF・THEN)」ーイフゼンプランニングとも呼ばれています。

実行意図のほうが何気なく立てる計画より優れていることは、数多くの実験で確認されている。たとえば、ある実験の被験者たちは、果物や野菜の摂取量を増やそうとしていた 。対照群の面々は好きなように計画を立てたが、実験群は具体的な実行意図を示した。一週間後、対照群には摂取量の増加がまったく見られなかったのに対し、実行意図を用いた人たちは毎日、平均で半人前ほどたくさん食べていた。この差は、実験群のほうが動機が強かったという理屈では説明できないから、実行意図の効果の裏づけになる。これは一例にすぎない。(中略)つごう九四の研究(被験者数は計八〇〇〇人以上)で、実行意図の効果量は中~大とされている 。要するに「効果あり」というわけ

やはりイフゼンプランニングの効果は絶大のようです。

印象深い言葉

習慣は私たちを「決断疲れ」から守ってくれる。決断疲れ──それは意思決定を下すだけでも精神的に消耗するという事実をいう。何も考えずに自然にできる習慣的行動が、他の思考の処理能力を広げてくれるわけだ。

習慣化の最大のメリットは意志力を使わないこと。やることが当たり前になることですね。

習慣の良いところは、できあがるにつれて努力が要らなくなる点である。疲れていても、怒っていても、気が散っていても、強い習慣は深く根づいているから忘れることがない。あなた自身があなたのためにつくり上げた習慣は、まるで魔法のように機能する。他の規則正しい活動と同じように、良い習慣はゆっくり時間をかけて果実をもたらすが、それは払った努力の何倍もの価値がある。

習慣になるとそれをずっと続けることができます。すぐに価値がでなくてもいつか大きなものになると私も信じています。

読了後、タイトルが違った意味に感じる

このタイトルの『良い習慣、悪い習慣』とシンプルです。

ですか読んだあと私の中でタイトルの意味がガラリと変わりました。

勝手な憶測ですが…奥が深いなと感じました。

読む前は単純に…

良い習慣→運動、読書、瞑想、アウトプットetc

悪い習慣→タバコ、飲酒、ギャンブル、運動不足etc

みたいな意味で使われていると思いました。

でも読みすすめていくと、習慣には悪い面、良い面の二局性をもっていることが伝わってくる内容です。習慣で人生を変えられる!なんて押し売りもなく、あくまでも中立的な立場で進められていると感じました。そういう意味も込められて良い習慣、悪い習慣なのかなと個人的に感じています。

 

宝くじで一〇〇万ドル当てた人を、それほど幸運でない近隣者と比べた研究がかつてあった 。一攫千金から半年後、その幸運な人たちが自己評価した幸福度は、大当たりする前の水準と同じだった。彼らは環境に適応したものと思われる。いろいろな意味で、大当たりの興奮が、それ以外の平凡な日常の良さを失わせてもいたのだろう。

 

本書でも触れていますが、例えば幸福度をアップさせるため感謝する習慣を作ったとします。この感謝の習慣もいずれは無感情となってしまうのでしょうか。答えはYESで徐々に感謝の気持ちも薄れてくる可能性があります。

本書ではそれが習慣の厄介なところであると述べいます。

結果、幸福度もあがりにくくなる。決して悪い習慣ではないのですが、良い習慣とも言えなくなってしまいます。

筆者は対策のため習慣にも柔軟性や新鮮さをもたせる必要があると述べています。例えばランニングをするなら毎回コースを変える、時間を変えるなど。少し矛盾に感じるかもしれないですがこらは習慣の内容によっては重要なことです。

理想的なのは、行動をおこすまでは習慣化する。そしてやっているときは絶えず変化をつけるよう意識することです。

習慣に関する本は何冊か読みました。習慣の力で良い人生を築けることや習慣化のためのテクニックに関する内容が多いです。【良い習慣も、悪い習慣】でも習慣の魅力やテクニックも伝えてはいますが、【習慣】についてより考えさせられる一冊でした。(また習慣がわからなくなってしまった…笑)

もう習慣に関するテクニック本は見飽きたなんて方は最後の章だけでも見てもらえると習慣に新しい考え方を添えられるかもしれません。