【読書感想】自分で考え、自分で書くためのゆかいな文章教室【読む・書く・考えるはつながっている】

文章を書くとき…

ありふれた表現になってしまう。伝わる文章になっているか?そう悩んでなかなか書くのが進まないときがあります。筆が止まってしまうのを改善するためにも【自分で考える】を意識して勉強するために「自分で考え、自分で書くためのゆかいな文章教室」を選びました。

著書を読んで「文」の奥深さを実感しています。「考える」「書くこと」「読む」それぞれがお互いにつながり合っていることをあらためて考えさせられる本です。

読んだ感想、気になったところ、考えたことをブログに残します。

自分で考え、自分で書くためのゆかいな文章教室の内容

そもそも、文とは何か?という問いから始まります。

筆者は文とは「器」と表現しています。

では料理はなんでしょうか?

それは『あなたが他の人伝えたい内容』です。

料理にも作る人、食べる人がいるように文章には書き手と読み手がいます。

読み手に「情報」をどう提供するか、これが大切なことです。

そのために「ことばの大きさ」「視点」「タイトルからの解凍」「文の圧縮」「比喩表現」などさまざまな観点から述べられています。

また、著書を読んで文章をもっと楽しんでほしいという想いが一番伝わってきました。

ゆかいな文章教室を読んで気になったところ

かたいことばやわらかいことば

自分で考え、自分で書くためのゆかいな文章教室 著者:今野真二 出版社:河出書房新社 p49

文字にはかたい、やわらかい、大きい、小さいもある。そうイメージすると、なんだか普通の文字の羅列もイメージを持つことができます。

 


 

視点に一貫性がなければ、読みにくい、わかりにくい文章になります。文章を書くときにはこの視点が変わらない、ブレないように気をつけましょう。思えば視点が変わってなくても、ブレブレのときがあるので気をつけなくてはですね。

 


 

タイトルは文章を圧縮したもの、逆に文章は解凍し盛り付けれたものです。文章を読むとき、または書くとき、これを意識しましょう。また自分でも圧縮、解凍をやってみる。こうしたことで考える力がついていきます。

 


 

結局「頭の中」で考える時にも言語を使っているのです。人間が言語を使って考えているのだとすれば、言語を使う時に考えるしかないということになります。注意深く考えながら丁寧にことばを「読み」「書く」という普通のことを積み重ねていくことによって、考える力もつき、読む力も書く力もつくはずです。

自分で考え、自分で書くためのゆかいな文章教室 著者:今野真二 出版社:河出書房新社 p107

頭の中であんまり言語を使っているとはあまり意識したことなかったです。たしかに考えている以上、使っているのは言語ですよね。私が意識できなかったのは、なんとなくボヤッ考えていることが多いからだと思います。文章を書くことはハッキリとした言語化が求められます。やはり文章を書くことは良い思考のトレーニングになりますね。

 

雰囲気だけ表現使ってない?

自分で考え、自分で書くためのゆかいな文章教室 著者:今野真二 出版社:河出書房新社 p122

幻の〜
神〜

よく見かけますね。

 

「幻」を辞書で引くと

【実際にはないのに、あるように見えるもの。その存在さえ疑わしいほど、珍しいもの。】

 

限りなく【ない】よりの意味に思えます。しかし、そう使っておきながら実際に【ある】ことが多いのではないでしょうか。「神~」も多用するとありがたみがなくなっていきます。マーケティングの面からはキャッチなコピーとしては使うことは仕方ないかもしれません。

 

いっぽう雰囲気だけ表現の使い方、読み取り方には注意しましょう。

 

「言語化して説明する」つまり「ことばで説明する」ことは考える力をつけるために必要です。いや「ことばで説明する」ということがもしかすると「考える」ことそのものに限りなくちかいことかもしれません。

自分で考え、自分で書くためのゆかいな文章教室 著者:今野真二 出版社:河出書房新社 p133

最近は読書のとき、気になった文章は必ずメモをとるようにしています。メモに加えてやるのは言語化です。「なぜ気になったのか?」「なぜメモをとったのか?」「自分の意見」をカンタンにでもいいので文章にしています。

これが「考える」かどうかは別としても、意外とむずかしく、言語化の練習になっているのは確かです。ボヤっとした頭の中をクリアにできて、頭の整理になります。

 

日本語の表現のさまざまなかたちを知るのは、実際に文章を読むのがよいでしょうし、読みながら、ちょっと立ち止まって表現を意識してみるのが「近道」だと思います。

自分で考え、自分で書くためのゆかいな文章教室 著者:今野真二 出版社:河出書房新社 p148-149

誰の発言に感じるか
a:こんなにいい曲を短い時間でよく作ったな
b:こんなにいい曲を短い時間でよく作りましたね
c: こんなにいい曲を短い時間でよく作りったね

 

「いい曲を短い時間で作る」という

料理 = 情報

がそれぞれ違う器に盛られています。

 

語尾の使い方でも伝わり方が全然違ってきますね。こういった表現も意識的に読むだけで読む力、考える力がついていきます。

読むこと書くことは考えること

著書を読んで文章を書くことの意味は2つあるのかなと考えました。

①読み手に情報(自分の経験や役に立ったことなど)を伝える。

②自分自身のために書く。自分との対話しかり、頭の整理や、現在地のログなど。

ブログ、文章を書くことの意味としては2つ目が今の私にとって重要な立ち位置、目的です。それでも1つ目を意識することが重要であると感じています。『相手に伝える』を意識することで得られるものが沢山あるからです。それが、ライティング技術や文章力、伝える力、考える力につながってくると考えています。

 

著書を読んで、文章に触れるときはもう少し細かな表現に気を配って読んでみようも思いました。

なぜ、筆者がその言葉を選んでいるのか?どんな器に持っているのか気にして読むようにしてます。

比喩表現にも意識して読書していこうと思います。

そして何よりも『文章を楽しむ』『文章で遊ぶ』ことを忘れないようにしていきたいです。

 

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